補償の種類
補償には大きく分けると「通損補償」と「権利補償」があります。
公共事業に必要な土地が買収されることによって、土地に付随する建物・工作・立木・機械備・動産・営業権など、買収後の生活再建に大きな影響を与えることとなる様々な損失が発生します。 当然の事ながら、これらの 「通常生じる損失(通損補償と呼ばれています)」も補償の対象となり 「権利補償」 である土地価格と同様に、損失補償金額の大きなウェイトを占めています。これらの損失補償がすべて行われて、はじめて「完全な補償」といえます。
ところで、この「通損補償」の評価・算定については、土地のような客観的な市場価格の数字として算定できる 「権利補償」 の場合と異なり、土地買収の諸条件からの結果について算定せざるを得ないため、将来 「おそらくこうなるだろう」 という想定の上に立って考えられることになります。
したがって、権利者・起業者、それぞれの立場から種々の角度で、いくつかの補償方式(移転工法や損失範囲等)が想定されることとなります。
これら想定できる複数の補償法式は社会的妥当性をもつものである限り、どれが正しく、どれが誤りついうものではありませんが、 「見解の相違」という言葉があるように、とかく立場が違うと、 同じ問題も意外な結論になってしまい、 真剣に生活・営業の再建をしなければならない権利者と経済的な合理性を前提に提示・協議せざるを得ない起業者とでは補償に対する 「考え方や金額」に大きな隔たりが生じることも従来の補償例が示す事実です。
主な補償の種類
<<土地に関するもの>>
<<補償の概要:物件に関するもの>>
(○印:補償の対象 △印:必要と認められた場合に補償の対象)
●土地買収補償 ●残地売却補償 ●残地工事補償 ●土地権利補償
●借地権補償 ●借家人補償 ●建物再築補償 ●建物取壊補償
●建物曳家補償 ●建物改造補償 ●照応建物補償補償 ●保冷改善補償
●一般工作物補償 ●設備工作物補償 ●立木補償 ●動産補償
●仮住居補償 ●仮店舗補償 ●保管補償 ●家賃減収補償
●移転先選定補償 ●法令手続補償 ●必要費用補償 ●就業不能補償
●収益補償 ●得意先喪失補償 ●固定経費補償 ●休止損失補償
●営業廃止補償 ●機械設備補償 ●農業捕償 ●漁業補償 等